Summarit-M 50mm F2.5 寄れるから焦点距離2倍も怖くない(File17)

フルサイズミラーレスのα7が登場してからというもの、マイクロフォーサーズ機はオールドレンズのベースボディとして不利と言わざるを得ない。マイクロフォーサーズはレンズの焦点距離が2倍になるため、例えば50ミリレンズでも35ミリ判換算100ミリ相当と0なり、ことごとく望遠寄りになってしまうからだ。しかもライカLMレンズのように最短撮影距離の長いものは、寄り切れないストレスがいかんともし難い。こういうときこそKIPON L/M-m4/3 Mのようなマクロアダプターの出番だ。

L/M-m4/3 Mはマイクロフォーサーズ用のライカMマクロアダプターだ。繰り出し量は3ミリで、レンズの焦点距離にもよるが、本来の最短撮影距離の半分程度まで寄ることができる。本製品は通常のライカMマウントアダプターと同程度の大きさに収まり、装着した際のスマートな佇まいも魅力のひとつだ。

マクロアダプターのメリットは今さら説明するまでもないが、ひとつウィークポイントがある。それは近接撮影した際の画像の乱れだ。最短撮影距離よりも寄るということは、そのレンズにとっては想定外の撮影条件である。程度の差こそあれ、絵作りは荒れる。オールドレンズでマクロアダプターを使うときは、それなりに絞り込んで描写を整えたいところだ。

では現行レンズだとどうだろう。今回は一世代前のズマリット50ミリF2.5で近接撮影してみた。現行品は50ミリF2.4となるが、50ミリF2.5も現行レンズと言って性能面では問題あるまい。撮影結果を見ると、最短撮影距離からさらに寄った状態でも、ボケがなだらかで合焦部のシャープさも申し分ない。これなら気兼ねなく接写できる。マクロアダプターと現行レンズの組み合わせは、可能性を感じさせるセットアップだ。

 

レンズを最短にセットして、マウントアダプター側のヘリコイドを繰り出す。ピントリングにローレットを施し、操作感は良好だ。

 

OM-D E-M1 + Summarit-M 50mm F2.5 絞り優先AE F2.5 1/125秒 ISO1250 AWB RAW
マクロアダプター側のほぼ最短で撮影した。マクロレンズで寄ったようなきれいなボケ方だ。

 

OM-D E-M1 + Summarit-M 50mm F2.5 絞り優先AE F2.8 1/100秒 +0.7EV ISO800 AWB RAW
手前の国旗にピントを合わせる。その後ろにある本はうっすらとボケて、近接時の被写界深度の浅さを実感できる。

 

OM-D E-M1 + Summarit-M 50mm F2.5 絞り優先AE F2.5 1/100秒 +0.7EV ISO800 AWB RAW
二線ボケの出そうな撮影シーンだが、後ボケを見るとうまく持ちこたえている。

 

OM-D E-M1 + Summarit-M 50mm F2.5 絞り優先AE F2.8 1/640秒 ISO200 AWB RAW
前ボケ、後ボケともになだらかで自然な描き方だ。軽さのある発色で今っぽい絵作りである。

 

 

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