Leitz Summilux-M 50mm F1.4 1st 定番ライカレンズでマクロ撮影(File07)

ライカLMレンズは接写が苦手だ。距離計連動という制約のため、最短撮影距離は70~100センチと長い。DRズミクロン50ミリF2のように接写と距離計連動を両立したライカレンズもあるが、これはイレギュラーな存在である。無論、現在はヘリコイド付きライカMアダプターを使えば、ミラーレス機でライカレンズによる接写が可能だ。そうは言ってもライカレンズたるもの、やはりM型ライカで使いたいのが人情だろう。そこで今回は、ライカMマウントの接写リングを試してみた。

KIPONのM-M M1/2は、ボディ側レンズ側ともにライカMマウントを採用した接写リングだ。M型ライカとライカレンズの間に取り付けることで、ライカLMレンズで接写を可能にする。厚さ8.1ミリ(M1)と10ミリ(M2)の2タイプをラインアップしており、最短撮影距離70センチの50ミリレンズを例に取ると、8.1ミリで24センチ、10ミリで21センチあたりまで寄れる。M1とM2を2段重ねを使うことも可能だ。こうした製品が登場した背景には、ライブビュー搭載のライカMタイプ240の存在がある。ライブビューならびに拡大表示を使うことで、近接域でも厳密なピント合わせが可能だ。

今回、初期型のズミルックス50ミリF1.4で接写を試してみた。そもそも近接撮影を想定していないため、開放近辺では思いの外描写が暴れる印象を受けた。F4あたりまで絞り、諸収差が落ち着いたところでの撮影がお薦めだ。無論、じゃじゃ馬な近接描写を力業で使いこなすのも一興だろう。

 

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Leica M[Typ 240] + Summilux-M 50mm F1.4 1st 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO200 AWB RAW
8.1ミリ厚のM1を装着し、レンズを最短撮影距離にセットして撮影した。

 

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Leica M[Typ 240] + Summilux-M 50mm F1.4 1st 絞り優先AE F1.4 1/4000秒 ISO200 AWB RAW
10ミリ厚のM2で撮影。開放だとボケ味がかなり暴れる印象を受ける。

 

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Leica M[Typ 240] + Summilux-M 50mm F1.4 1st
絞り優先AE F2 1/45秒 -1.33EV ISO500 AWB RAW
M2で撮影した。一段絞っているが、被写界深度は極めて浅く、ピント合わせはシビアだ。

 

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Leica M[Typ 240] + Summilux-M 50mm F1.4 1st 絞り優先AE F1.4 1/1000秒 ISO200 AWB RAW
M1とM2を二段重ねで装着。ボケの海から合焦部だけが顔を出し、幻想的なイメージを描く。

 

製品紹介

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KIPON M-M M1/2
ライブビュー搭載のライカMタイプ240を前提に設計された、ライカMマウントの接写リングだ。厚みの異なる2タイプが用意され、M1は8.1ミリ、M2は10ミリの厚みとなっている。距離計連動には未対応で、ライブビューでピント合わせを行う。

 

 

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