Nikkor-P Auto 10.5cmF2.5 + TILT NIK-S/E N ゼロポイントに即座に戻せる快感(File15)

KIPONのティルト機能付きマウントアダプターに新型が登場した。元々KIPONは付加機能付きマウントアダプターを得意とし、ティルトおよびシフトアダプターは十八番と言っても過言ではない。従来のティルトアダプターは、自由雲台のようにレンズが360度自由に可動するタイプだった。新型ティルトアダプターは同社のTS(ティルト・シフト)アダプターからティルト機能のみを搭載したスタイルだ。新型ティルトアダプターはレンズの傾きと回転を別々にコントロールする。一見すると煩雑そうだが、明示的な操作が可能になり、俄然使い勝手が向上している。

まずティルト(傾き)は最大12度で、側面のネジを緩めると一方向に向かって傾いていく。レンズが一方向にしか傾かないため、すぐさまゼロポイント(傾きゼロの状態に)に戻せるのが特徴だ。また、回転動作に対応し、レンズの傾きを問わず。30度刻みで360度回転する。これによって全方向に対してティルト撮影が可能だ。こちらも30度ごとにクリック感があり、レンズを簡単に正位置に戻せる。ティルト機能という特殊なマウントアダプターだが、通常のマウントアダプターとしても使えるわけだ。TILT NIK-S/E Nはレンズ側がニコンFマウントで、ボディ側はソニーEマウントを採用している。ボディ側マウントは、キヤノンEF-M、富士フイルムX、マイクロフォーサーズが同時に登場し、様々なボディで利用できる。

実写してみると、ゼロポイントに速やかな戻せる恩恵は想像以上のものがある。ティルト撮影と通常撮影を自在に切り替えられ、さらに通常撮影の状態で確実にロックできるため、不用意にレンズが傾く心配がない。傾きに関しては微調整もしやすく、シビアなコントロールも可能だ。ティルトアダプターは逆アオリによるミニチュア写真というホビー用途がメインになりがちだが、TILT NIK-S/E Nはプロカメラマンのアオリ撮影用にも活用できるだろう。

 

側面のネジを緩めると、レンズが一方向に最大12度ティルトする。元に戻せば、傾きゼロの通常撮影が可能だ。

 

ピンを持ち上げると、30度刻みでレンズが回転する。ティルトした状態で回転させると、好みの方向にティルトできる。

 

α7 + Nikkor-P Auto 10.5cmF2.5 絞り優先AE F2.8 1/200秒 ISO100 AWB RAW
中望遠レンズなのでそのままでもボケ量を稼ぎやすいが、逆アオリならさらに大きなボケに期待できる。

 

α7 + Nikkor-P Auto 10.5cmF2.5 絞り優先AE F4 1/160秒 -0.7EV ISO100 AWB RAW
平面的な被写体も、逆アオリなら上下にボケを生み出すことが可能だ。

 

α7 + Nikkor-P Auto 10.5cmF2.5 絞り優先AE F4 1/125秒 ISO800 AWB RAW
レンズをゼロポイントの位置に戻し、通常撮影した。緩急織り交ぜた撮影が可能だ。

 

α7 + Nikkor-P Auto 10.5cmF2.5 絞り優先AE F2.5 1/5000秒 ISO100 AWB RAW
高所から逆アオリで地上を狙う。典型的なミニチュア風写真が撮れる。

 

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