FD 50mm F1.4 硬派に撮れるお値打ち標準レンズ(File10)

昨今、EOS M用マウントアダプターの売れ行きが良いという。シリーズ第3弾となるEOS M3が人気で、それに合わせてマウントアダプターの動きが良いのだろう。KIPONは初代機EOS Mの登場に合わせ、EF-Mマウントの各種マウントアダプターをフルラインアップした。現在はシフト・チルト対応製品も数を増やし、様々なオールドレンズに対応する。今回はKIPON FD-EOS MをEOS M3に付け、キヤノンつながりでオールドレンズを楽しんでみた。

用意したレンズはFDマウントのFD 50mm F1.4だ。S.S.C.コーティング前の製品で、シルバーのフード用バヨネットが目にまぶしい。このフード用バヨネットがイカレックスのツァイスレンズを彷彿とさせ、洗練された印象の標準レンズだ。1万円程度で買えるお手頃レンズだが、その描写は硬派で隙がない。開放は多少滲むものの、ひと絞りで硬さが増し、力強い発色とコントラストを見せる。この頃のキヤノン製レンズは生真面目に高画質を求める姿が潔い。

KIPONのFD-EOS Mはプリセット機能を搭載したマウントアダプターだ。マウントアダプター上部にプリセットリングがあり、「OPEN」側に回すと絞りは常に開放状態になる。そして「LOCK」側に回すと、レンズの絞りリングでセットした絞り値まで絞りが絞り込まれる仕組みだ。使用頻度の高い絞り値にセットし、プリセットリングですばやく開放と絞り込みをスイッチングできる。なお、FDマウントとNew FDマウントの双方のレンズに対応している。

 


EOS M + FD 50mm F1.4 絞り優先AE F4 1/1600秒 -0.67EV ISO100 AWB RAW
シャドウがよく締まり、コントラストとシャープネスに力強さがある。

 


EOS M + FD 50mm F1.4 絞り優先AE F4 1/1250秒 ISO100 AWB RAW
黄色いペンキが褪せた風合いを保ちつつ、存在感を放っている。赤錆の質感も良い。

 


EOS M + FD 50mm F1.4 絞り優先AE F1.4 1/4000秒 -0.67EV ISO100 AWB RAW
開放であえてゴーストを入れてみた。開放や逆光ではこうした緩い描写も可能だ。



EOS M + FD 50mm F1.4 絞り優先AE F2.8 1/4000秒 ISO100 AWB RAW
開放寄りでの撮影だが、キレのある絵作りにオールドキヤノンの良さを感じる。

 

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