EF 70-200mm F2.8L USM AFアダプターの真打ち登場(File14)

試作品を触ったときの感動を、今でもはっきりとおぼえている。上海伝視(KIPONの製造メーカー)のCEO、張氏から手渡されたGH4には、見たことのないマウントアダプターが付き、その先にキヤノンレンズが取り付けてあった。ライブビュー画面を見ながらシャッターを半押しする。即座にフォーカスエリアの枠が緑に変わり、合焦したことを伝えてくる。距離の異なる被写体にレンズを向け、改めてシャッターを半押しする。また即座に枠が緑になる。まるで純正品じゃないか。素でそう思った。

あれからおよそ5ヶ月、ついにEF-MFT AFが正式発売になった。マイクロフォーサーズ機にて、キヤノンEF/EF-SレンズをAF動作させるマウントアダプターだ。この手のAFマウントアダプターは色々なメーカーから発売されているが、そうした中、EF-MFT AFのAFスピードは群を抜いて速い。もちろん絞りはマイクロフォーサーズ機側で制御でき、IS付きレンズは手ブレ補正も動作する。撮影情報はEXIFに記載され、撮影時の絞り値やレンズの焦点距離を後から確認することが可能だ。

ただし、ひとつウォークポイントがある。それは機材の相性だ。マイクロフォーサーズ機はパナソニック製とオリンパス製があり、EFマウントレンズは種類が多い上にサードパーティー製もある。EF-MFT AFに装着可能な機材はとても種類が多く、その組み合わせによって動作パフォーマンスが異なるのだ。ボディはパナソニック製の方がパフォーマンスが良く、特にSTM対応レンズは動作が速い。IS付きレンズについては、ISが動作するものとしないものがある。シグマのようなサードパーティー製のEFマウントレンズは動作が安定しないケースが多かった。

こうした諸問題はいずれファームアップで対処してくるだろうが、メーカーがサポート対象機器リストを公開してくれることが望ましい。現状では、パナソニック製マイクロフォーサーズ機とキヤノン純正EFマウントレンズの組み合わせが、安定動作しやすいセットアップと言えそうだ。

 

LUMIX G7 + EF 70-200mm F2.8L USM 絞り優先AE F2.8 1/3200秒 -2EV ISO200 AWB RAW
テレ端200ミリの35ミリ判換算400ミリで撮影した。超望遠をAFで使えるのは快適だ。

 

LUMIX G7 + EF 70-200mm F2.8L USM 絞り優先AE F4 1/1000秒 ISO200 AWB RAW
フォーカスエリアを左下に移動し、蓮のつぼみにピントを合わせる。周辺部でもしっかりと合焦した。

 

LUMIX G7 + EF 70-200mm F2.8L USM 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO200 AWB RAW
マルチAFにセットしてカメラ任せでシャッターを切る。像にピントが合い、狙い通りのカットを撮影できた。

 

LUMIX G7 + EF 70-200mm F2.8L USM 絞り優先AE F5.6 1/320秒 -0.66EV ISO200 AWB RAW
ワイド端70ミリの35ミリ判換算140ミリで撮影した。隅々までシャープでコントラストの付き方も良い。

 

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